時代小説と下町の寵児、宮部みゆき|DVD・CDの買取は中古じゃぱん

宮部みゆきとは

1960年12月23日に東京都江東区深川で産まれました。生粋の下町で育った彼女の作品の持ち味は、江戸を中心とした地名や風習、人情などが色濃く残された時代小説に凝縮されています。父からは落語や講談の怪談話、時代劇について教わり、母からはハリウッド映画について幼い頃から語り聞かされたといいます。

21歳から法律事務所にタイピストとして勤務し、ワープロを購入したことをきっかけに小説を書くようになりました。雑誌広告で知った講談社フェーマススクール・エンタテイメント小説作法教室に1984年から1年半通い、小説教室の仲間に勧められたことでオール讀物推理小説新人賞に応募しました。1987年に同賞を受賞し、「我らが隣人の犯罪」でデビューを果しました。

1989年には『魔術はささやく』を書いて日本推理サスペンス大賞を受賞しました。当初は『龍は眠る』などの超能力を扱った作品が多かったですが、1992年に発表した『火車』は、クレジットカードローンによる多重債務問題を描き出し、山本周五郎賞を受賞しました。

その後も次々と、『理由』で直木三十五賞、『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞を受賞していきました。『模倣犯』の後で現代の闇を描くことに疲れてしまい、時代小説やファンタジーを重点に書くようになりました。『ブレイブ・ストーリー』や『ＩＣＯ』などはそれまでとはガラリと作風が変わった、青少年向けの異世界ファンタジーとなっています。彼女自身が大のゲーム好きとのことで、世界観にもそれが如実に表現されています。

宮部みゆきの魅力

幅広い作風が魅力的な彼女の作品ですが、特に全般に溢れているのは、人情味とあたたかみです。ほろりと涙がこぼれたり、救われない中でも愛しい誰かに会いたくなったりするような、人間愛に満ちた作風だと言えます。ミステリー性が高く、ハラハラとした緊張感と共にページを繰る手が止められなくなり、軽妙洒脱な言い回しにクスリとすることもしばしばです。映画やドラマ化された作品も多いのですが、細かな設定やエンディングが原作とは異なることも多いので、試しに見比べてみるのはいかがでしょうか？

「宮部みゆき」オススメのシリーズ

数多い宮部みゆきの作品の中でも、今回は特にミステリーと時代小説に絞ってご案内させて頂きます。

蒲生邸事件

大学受験に失敗した高校生が昭和11年2月26日にタイムスリップしてしまうという話です。

今では歴史の教科書にも載っている2・26事件ですが、当時の緊迫感や暮らしている人々の息遣いがさも私たちまで時代を超えたかのように錯覚させてくれます。

東條英機の名前さえも知らなかった「今時」の若者と戦前の人々のギャップをユーモラスに描いているさまが微笑ましくも悲しくもあります。

時代を超えても人の心に不変なものがあることを感じさせてくれる、名作です。2017年11月に文藝春秋社から新装版が発売されています。

本所深川ふしぎ草紙

お江戸深川を舞台にした、「不思議」な話を集めた短編集です。

いわゆる怪談話をイメージしそうですが怖さは一切なく、落語の人情噺といった具合です。

宮部みゆきの地元を舞台にした真骨頂の作品です。回向院の岡っ引きである茂七を主役にしたシリーズは、『初ものがたり』（新潮文庫1999年）など他の作品へも続いていきます。

心とろかすような　マサの事件簿

名探偵マサの活躍する短編連作小説です。

なんとこのマサは、表紙を見ればわかる通り、犬なんです！元警察犬だったシェパードのマサと彼（？）をとりまく飼い主一家や周囲の人々の人間模様を描いたミステリーです。

マサの登場するシリーズは他にもありますが、終始一貫して「犬」の視点から語られる世界が面白いです。

宮部みゆき作品の中古事情

人気作家である宮部みゆきの作品は発行後、多くの方に読まれますので、中古市場にも読み終えた本が多く流れ買取価格がはやめに安くなると思われがちですが、宮部作品は2度3度読み直される方が多いので、意外と中古市場に商品が流れてくるケースは少ないのです。

よって中古販売市場の価格競争も多くないため、比較的高く買取がされやすい傾向がある作家であります。

ただ時間経過するごとに、やはり買取買取は安くなってきてはしまいますので、宮部みゆきの買取をご検討の際は、はやめにご依頼いただきます事をオススメいたします。