ミステリーを読みたくなったら綾辻行人|DVD・CDの買取は中古じゃぱん

十角館の殺人

建築家・中村青司が建てたと言われる十角形の不思議な建物があります。中村青司はこの館を建てたあとに焼死しているといいます。その館に、大学生７人が訪れたのですが・・・。

この小説を語るうえで誰もが話すのが最後の一行についてです。話には聞いていたのですが、この噂の一行を読んだ瞬間に鳥肌が全身を駆け巡りました。何も知らずに読めることが、人生で一度しかないことが本当に悔やまれる傑作です。

迷路館の殺人

莫大な賞金をかけて４人の作家が地下にある迷路館に集まってきました。そこで、この館を舞台にした推理小説を書くように言われるのですが・・・。

これはどのシリーズにも言える話ですが、話を読みながら巻頭についている館の見取り図を何度も見比べてあれこれと考えることを特に楽しめる作品だと思います。事件の謎だけではなく、必ず最後に「あれ？」と読み返したくなること間違いなしです。

時計館の殺人

十角館での殺人事件を知る江南孝明はオカルト雑誌の取材で鎌倉にある時計館を訪れます。そこで起きた交霊会の夜、霊能者が姿を消して・・・。

殺人の悲惨さが群を抜いていたのではないかなと個人的には思う作品です。

犯人が誰？ということももちろんですが、いったいどうやって？の謎解きの部分に「ああ！」とすっきりできる面白さです。

黒猫館の殺人

奇妙な老人から依頼を受けた江南孝明と推理作家の鹿谷門実は東京、札幌、そして阿寒へと旅立ちます。そこで少しずつ明かされる老人の謎とは・・・。

最後の最後で「世界」がぐるりと変わる感覚を味わうことができます。これは感覚的なものももちろん、明かされる真実がぐるりと変わるのです。この気持ちよさは最後まで読めば必ずわかります。

びっくり館の殺人

「びっくり館」と言われる怪しい噂が流れる場所。引っ越してきたばかりの三知也はそこに住む少年と友達になるが、やはり噂通り少し変わった館で・・・。

他の「館シリーズ」とは少し毛色が違う話。回想から始まることで、最後に後日談も語られるのですが、この後日談に背筋が寒くなります。ミステリー小説として謎解きを楽しむよりも全体的に漂ううすら寒い感覚を楽しめる作品です。